同性カップルの生活環境がより法律的に認知されるようになる動きが、全国の自治体で進行中です。現在、全国11市区町で、同性カップルの住民票に「夫・妻(未届)」という表記が利用できるようになっています。この取り組みは、結婚制度のない同性カップルにとって重要な一歩となるだけでなく、行政サービスや社会的認識の面でも大きな前進を意味します。
背景と詳細
日本では、同性婚は法律で認められていませんが、一部の自治体では同性パートナーシップ証明書制度が導入されています。しかし、これだけではカップルとしての法的な地位が十分に保証されるわけではありません。住民票に「夫・妻(未届)」という表記が追加されることで、事実婚と同等の取り扱いを受けられるようになります。
この表記は、役所での手続きや住民票を必要とする際の確認手段として機能します。これにより、例えば同一世帯としての認知が明確になるだけでなく、健康保険の手続きや子どもの保護者としての表記なども進めやすくなると期待されています。
具体的な自治体
長崎県大村市:2024年5月2日から運用開始。
栃木県鹿沼市:2024年7月1日から運用開始。
神奈川県横須賀市:2024年7月1日から運用開始。
香川県三豊市:2024年7月1日から運用開始。
栃木県栃木市:2024年8月1日から運用開始。
神奈川県逗子市:2024年9月2日から運用開始。
神奈川県葉山町:2024年9月2日から運用開始。
愛知県犬山市:2024年10月から運用開始。
東京都世田谷区:2024年11月1日から運用開始。
東京都中野区:2024年11月1日から運用開始。
三重県伊賀市:2025年1月から運用開始予定。
具体的な事例
東京の渋谷区では、2015年にパートナーシップ証明書を全国で初めて導入しました。それに続いて、横浜市や大阪市なども同様の取り組みを進めており、住民票への「夫・妻(未届)」表記は、これらの制度を補完する形で広がりを見せています。
また、奈良市や福岡市といった地方都市でも、この表記が利用可能となっており、都市部だけでなく地方でも受け入れが進んでいる点が注目されています。